読み物

2019年09月09日

発酵

最近、はまっている事?

真子さんがぬか漬けを始めました。

お客様に、無印のぬか漬けのセットがイイと勧められ、しかし、人気で売り切れ。😵

他のお客様がオオゼキにも似たものがあるとの情報を頂き、😳

そんなお話をお客様としていたら、「うちのを分けてあげると」❗️

しかも、そのぬかどこは、その方のおばぁ様が、有名な料亭から分けて頂いた

100年以上続けているものだそうです。😱

かれこれ2か月、今年の猛暑を乗り越えて、真子さんが毎日せっせとお世話しております。

きゅりに、水ナス、みょうがにセロリ等々、毎日いただいています。

そのおかげか、胃腸の調子が良いようです。👍

ちょうど雑誌で特集していたので買ってみました。

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日本には色々な発酵食品がありますね。

こちらが、日本の発酵食品の編集に携わる青年のお話

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以前は、納豆、ヨーグルト、キムチ、漬物、よく食べていたのに、

次の日に胃痛が起こるようになり、遠ざけていましたが。😥

ぬか漬けは調子良いよう。😘

この勢いでほかの発酵食品もまた食べれる様になると嬉しい!💕



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2019年05月24日

本🧐

アートやファッションに関心がある方には、憧れのパリ。🗼

美大を卒業した、LGBTの美智之輔(美少年)が、現実逃避からの留学、憧れの人との出会いで運命が思わぬ方向へと、夢へとつながっていく。

ロマンスあり、ハードボイルドありのラブコメ。💖

"ロマンシエ"

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原田先生のバイタリティーにやられてしまいます。😵

最初に読んだ原田マハさんの作品は 

「楽園のカンヴァ」

これを読んでからアートに興味がわき、今年2回目の美術展に足を運びました。

グスタフ・クリムト

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美術の教科書でしか見たことがなく、初めて本物を見ました。

凄い。😆

妖艶な女性の印象でしたが、日本画の影響や、グラフィックのポスター、風景画、等々、幅が広い。

技法も面白いですね。

天気が良ければ画集を買ってきたのに。(火曜日は、台風のような天気でした)

世界を広げてくれたのは原田マハさんのおかげです。




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2019年02月27日

チメ リターン🏌️‍♀️

2019年チメは相変わらず毎週グリーンに立っていた。

 

一年の中でも寒さが厳しい一月の終わりの早朝に、南新宿に1人ゴルフの待ち合わせ場所へと向かっていた。

うぅー、昨日のタラコが作ったパスタの仕業?

うぉーお腹が。😨

これでは、朝食のコーヒーとパンを買うファミマまで間に合いそうにない。

目の前のマックに駆け込み、2階のトイレに入る、ゲッ! 詰まっている。

ここでは無理。😱

ぎこちない足取りで、急いでファミマに向かう、空いていてくれー。

フゥー。

冒頭から何たる話題・・・・。 失礼いたしました。

ほっと息をつき、いつもの朝食を買い、集合場所へと向かった。

バスの一番前の席で朝食をゆったりとれる。

しかし時間になっても出発しない、どうやら遅れている人がるらしい。

気づくとゆったりのはずがガツガツとパンをかみ砕いていた。

事なきを得たばかりなのに、待たせられるのか。

出発時刻を10分ほどすぎて、70過ぎの女性が乗車してきた。

「これは、○○(ゴルフ場名)行のバスですか?」 とたまたま目が合った私に聞いてきた。そんなことはスタッフ(運転手)に聞け!

しかもバス一台しか止まってないし!その前に待っていた皆さんにまずは謝罪でしょ!!

そのバァーさんはすぐ後ろの席に座り、隣の人に「池袋からバスで来たのだが

道が凄く混んでいて」と言い訳している。あったりめーだろ!

電車で来い。せめてタクシー。15分前にはバスに乗車!一番遅い交通機関を利用するな!

「バス停が家の目の前なの、歩かなくていいから便利なのよ。」だと。

わかりますよ、あなたの年齢でしたら、駅まで歩くのは大変ですよ。

持ち物、服装、話し方から察するにたいしてお金持ちってかんじでもない。

だけど平然と遅れてくるあたりから社会に出たことがない、世間知らずと見た。

それとも天然か?とにかくピントがずれてるオーラが出まくっている。苦手だ・・・。

あーあ、一緒に回りたくないな。😩

 

嫌な予感が当たってしまった・・・・。

タッキー70歳くらい(先ほど遅れてき  たバァーさん、初めに皆さんに謝るのが筋でしょう?)

まっちゃん60歳くらい(独身でホテルウーマン神戸出身。刺繍が得意。チメとは気が合い何度も一緒にラウンドしている)

そしてチメ(今年こそは70台で回るが目標の下北沢の魔女)

この三人で回ることになった。

 

 

遅れてきたときに謝罪の一言があればまだ許せたのに。

しかも着替え終わってクラブハウスから出たところで、また目が合いどーでもいいことを質問される。だから私に聞くな!っつうの~

早くもラウンドを前から、メンタルが不安定に。😡

今年こそは目標を達成するために、メンタルの鍛錬をチメは少し前から始めていた。

瞑想。

毎朝まだタラコが起きてくる前に、1時間、続けていた。

これではまだまだ鍛錬が足りない、ふぅー。

 

しかし意外や意外。 タッキーのゴルフはなかなかの腕前。

上手いのはいいけどスタートホールからチメのパットラインをずかずかと踏みつけられた。

挙句最初にパットを打ち終えたくせに、ピンを持たずにさっさとカートの後部座席に乗り込みしれーっとしている。

まあまあうまいくせに、マナーはてんで知らないのかーっ!

「パター最初に打ち終わったら、ピンを持ってくださいね。」と冷静に注意をしてみた。

すると、とてつもなく明後日の方向から球が返ってきてあまりのとんちんかんっぷりに

言葉を失ってしまった。😵

さらにチメのメンタルンにぐさぐさと爆弾を投下してくるように、くだらない質問をしてくる。なんで私にそんなこと聞くの~~~!イラ!

下らな過ぎて質問の内容をほとんど忘れてしまうほどだった。

 

こんなので70年生きてきたのか?

人生とは何とか成るものでね。ふぅ~

 

ハーフが終わりクラブハウスにランチをとりに向かうときに違う組で回っていたイーちゃん(62歳のおっさん、どういったわけかチメをライバル視している)がチメのスコアを聞いてきた。

 

タッキーのせいで、メンタルを崩されていまいちであまり言いたくない。

でもどうやら同スコアらしい。

イーちゃんの顔付きが変わった。今日こそは負けられないと、鼻息が荒い。😤

 

今年一番の強風が吹き荒れるなか(心の中も)、どうにか18ホール終わった。

今日は散々だった。ゴルフの内容というよりメンタルがボロボロ。

でも人のせいではない。まだまだ鍛錬が足りないのだ!

その割になぜかスコアはまとまり、イーちゃんよりかなり良かったようだ。

あんなにイラついてもそれなりにまとめられるようになったのは成長?

でもゴルフはやっぱり楽しく回りたいよ~~!

 

あー。

 

うぉー。

こいつは。IMG_0372


うめちゃん。(ゴルフ場に住み着いている、なすがままに触らしてくれる猫)

癒される。

他にも2匹いるが、チメに間合いを取って近寄ってこない。

 

とりあえずうめちゃんがいれば。

また来週もこのゴルフ場に来るので、おやつを持ってこよーっと。🤗

 

そして、次の週はラウンドレッスン。

2週続けて同じコース。しかもこのゴルフ場はスコアが出やすいコース。

天気は寒いが風がなくコンディションは悪くない。

 

さて、メンバーは、

こばちゃん(天然の40歳、170センチの長身でソフトボール経験者。男子並みに飛ばす!)

しーさん(年間250ラウンドもする超常連さん。せっかちな70過ぎの独身じーさん)

そしてチメ。

何か癖のある方ばかり。

しかし今回はラウンドレッスンで、プロと一緒にまわるから自分のことに集中できる!

教えてくれるのはこの1年で何回かレッスンしてもらっているすみちゃん。

しーさんに痛く気に入られている、30代半ばの笑顔の可愛い女子。

 

スタートホールからパーを拾い、出足は順調だ。

ショットは調子がいいとまでは言えないが、プロがそばで見ているのでなんとなく

丁寧に打てるせいか、大きなミスはない。

スコアというより目の前の1打に集中しながらプレーができた。

前半の最終1つ前のホールまでで、2バーディ2ボギーのパープレー!😄

9ホール目でボギーを叩いたがなんと1オーバー37のハーフベストだ。

やばいよやばいよ。70台でちゃうかも?とももちろん思ったけど、過度に期待をしていない自分がいた。

しーさんもこばちゃんも人のことより自分のことなので、あまり「すごいすごい」と言ってくれたりしないのがさらに助かる。

午後はやはりショットが乱れだした。平常心平常心と念仏のように自分に言い聞かせてもスコアが気になってしまうのだ。

それでもやっとこさっとパーを拾いつつ最終は超打ち上げのロングホール。

ここをパーで上がらなければ!と意気込むもドライバーはあえなく左ミス。

チッ。

3オンはできなかったが、なんとか4打目をピン奥50センチにつけられた!

ヨシ!👏

これを入れれば70台!👍

ラインは下り。だけどまっすぐ打てば入る距離。でもしびれる~~!🤯

何も言わずに見守っていてくれるプロにテレパシーで「キンチョーするよ~」

一度仕切りなおそう。

そして運命の一瞬。 

やさしくまっすぐ打ち出したボールは

“コロン“とカップに吸い込まれた!

うぉー。

念願の70台! ゴルフの神様!ありがとうございます!🎉

今日もうめちゃんはなすがままに祝福してくれる。

たまらんですな~。

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たらこに連絡して、シャンパンとイチゴを用意させておかなきゃ!

うっきー。

カンパーイ!!🍾

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なんと今年の目標である、スコア70台を達成したのであった。😙

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2018年11月09日

チメ 別れの時

またこの季節がやってきた。

キンモクセイの甘い香りがあちらこちらから漂い始めると

そうチメの誕生日週間が訪れる。

それは秋の訪れを教えてくれる。

 

そうこうしていると、台風が東京にやってきた。

今年は当たり年で、何個かが日本に向かって、そのひとつが東京にも直撃した。

翌朝は下北沢の街中も、木の枝やゴミやらが散乱して大変なことになっていた。

セレニーテが入っているビルの一帯が夜中に停電になったらしく、おかげでエレベーターが一階で止まっており、開いたままの扉から雨水が入り床が水浸しの状態でけたたましく警報を鳴らしていた。

そんな台風がいつもより早くキンモクセイの香りを連れ去ってしまった後にチメの誕生日を迎えた。

たらこはと言いうと2、3日前から「もうすぐお誕生日おめでとう!」と 繰り返していた。

自分が忘れないようにしているのか、なんなのか?

 

誕生日と言えば、思い出す。

 

あれは昨年の梅雨の頃、二人でテレビの連続ドラマを見ていた。

ドラマの設定は、主人公のお嫁さんは妊娠中で、お姑さんたちと暮らしている。

その日はお嫁さんの誕生日。

家族で夕食後に、ケーキが出ている。でも家族のだれも誕生日ということに気付いていないで美味しそうにみんな食べている。

主人公はその日は友人と飲みに行き酔っぱらって階段から落ち大ケガをしてしまい、

いっしょに飲んでいた友人が家に電話で連絡している場面。

その家族は商売をしていた。 なんの商売か忘れたけど?

電話を受けた従業員が、ケーキを食べているのを見て、

「旦那さんは奥さまの誕生日に酔ってケガして・・・・」

アラアラ。

何気なくのセリフ。

それに気づいた姑が、「あらそうだったの? 言ってくれればお祝いしてあげたのに」

お嫁さんは、従業員のところに詰め寄って「余計なこと言わなければ、このままやり過ごせたのに!」

それを見てチメが腹を抱えて大笑い!

指まで差して、苦しそうに笑い転げている。

たらこも、一様に笑っているが?

 

ドラマを見終わり、12時を回らない前にタラコが歯磨きをしていると、目を真ん丸にしたチメが駆け寄って、

「ごめん今日誕生!きゃー忘れていた」

その日はタラコの誕生日だった。

「さっきは気づかなかった、おめでとう」

それに対して、タラコは、「今日のうちに気づいてくれてありがとう」

チメを、真ん丸の目をくしゃくしゃとした後、“ほっと”した表情に変わった。

 

思い出してしまった!

どう思います! 皆さん!タラコの対応は?

思い出したらムカついてきた。

テレビ見ているときに言えばいいのに。

ねぇ?

 

そして、街でみんながハロウィンの大騒ぎしている頃、チメの一年の中でも一番忙しい時期がやってくる。

 

それは、フィギュアスケートのシーズン。

 

どこで習得したのかチメは解説者張りに、技を見き分けて説明してくれる。

今年からルールが変わったことにもちゃんと対応している。
チメの心眼には恐れ入ります。

今年も男子は強い!。

女子も育ってきたので一安心。

 

それと、もう一つが問題。セレニーテの決算がやってくる。

一年間ためていた経理を一気にかたづける。

この二つが重なることで、普段からイラつき気味のチメがさらに尖り始める。
イラ!

そのおかげで、このチメのお話の校正も後回しになり、しまいには「そろそろ、独り立ちしなさい」・・・・・

別れの時が来ました。

 

これからは、たらこ一人でチメを続けていかなければいけません・・・。




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2018年08月23日

下北沢のチメ 奥穂高岳へ

海の日、仕事終わりにチメは新宿にいた。

梅雨明けと共に連日猛烈な暑さが続く。夜になってもまだムシ暑さは引かない。

生暖かい空気が、「暑い!」

仕事帰りに一杯やって出来上がった、「人が!」

イラッ!!

チメは、下北沢にいるときと様子が違う。

6キロを越えるザックに、両手には着替えと登山用ブーツに食料をもっていた。

「重い!」

今チメは北アルプスに向かう夜行バスに乗るためにバスタ新宿に来ていた。

もちろんお供のタラコを従えている。

 

連休の最終日でバスタは込み合っていた。

 

新宿から上高地までの夜行バス。

そして奥穂高を目指す!

チメにとって1年ぶりの登山。

靴とTシャツを新調した。

本来なら23日のコースを、テント泊1泊2日で行く。

靴とTシャツを新調した。

モチベーションを上げるためには、甘―い蜜が欠かせない。

 

不安がないわけではない。

タラコは、一人でコツコツとトレーニングを積んでいた。

もちろん、テントはタラコが持つ。当たり前だ。

チメの倍の重さのザックを背負う。

なのにさっき仕事終わりに「なんか喉が痛いんだよねー」って!!

大丈夫なのだろうか・・・。

バスは2225分に新宿を出発して翌朝5時過ぎに上高地に着く。

3列の独立シートに電源、Wi-Fi、毛布、にトイレ付。

今年からか、車両が新しくなり、きれいな室内で居心地は悪くない。

が、2回の休憩でサービスエリアに止まったり、揺れが気になったりでしっかりとは睡眠をとれないのが常である。

寝不足で8時間以上の登山は体力的にきついし、高山病にかかりやすくなる。

ただ、しっかりと水分を取っていればある程度は高山病のリスクを減らせるということも経験の中で学んだ。二人ともそれなりにトレーニングを積んでるし、頑張ろう。

 

途切れ途切れに睡眠をとっている間にバスは高速を降り、新島々のバス停あたりで空が明るくなってきてた。どうやら晴れている!

「ヨシッ!」テンションが上がる。

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今回のルートは、上高地から、岳沢を経て、重太郎新道で紀美子平、吊尾根から奥穂高岳、そして穂高山荘でテント泊になる。

 

チメも紀美子平までは登ったことがあるルート。

その時は前穂高に上り、ピストンして岳沢でテント泊した。

このコースで岩登りの面白さに目覚めたチメ。

四肢を使って岩に取り付きながら、「楽しい!!私って岩女だったのね!」と新たな喜びに出会えたことに嬉々としつつ登った。

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それ以来、岩稜ルートにしか興味がなくなってしまったのよね・・・・。

でもあの時は下りがほんとに辛くて、タラコに思い切りあたってたな~

今でも疲れると、ついついイライラをぶつけてしまうけど。

そうそう、ここは森の妖精“オコジョ”に出会ったという素敵な思い出もある場所。

「今回も会えたらいいな」と 期待に胸が膨らむ。

 

1週間前までは、“吊尾根に残雪があり、アイゼン・ピッケル装備”と穂高山荘のホームページに書いあったが、2、3日前には書き換えられ夏道になっていた。

残雪のままならルートを変更しようかと気をもんでいたところだった。

そんな心配が嘘のように上高地は気持ちいいほどの快晴。

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ここ数日の異常な気温の高さが山にも届いており、あっという間に雪を溶かしてくれたのだろうか。

 

上高地をスタートして、岳沢小屋までの途中のところで、

「暑い!」

まだ、7時を過ぎたところなのに、ギラギラ太陽に睨まれている。

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タラコは、たまりかねて、ショートパンツにノースリーブで、セクシーな格好になってしまった。知りませんよ!後でどうなっても。

チメの装いは完璧。

紫外線をよけ、清涼感のあるアンダーシャツで装備していた。

高度を上げていってるのに、どんどん気温も上がっていく。

もうこれ以上脱げないタラコは、雨傘を日よけにさし始めた。

“おーい”お爺さん。ここは、上高地セレブマダムが来る場所じゃありませんよ!“

スタートからなんだかタラコの様子がおかしい。

確か昨日、喉が痛いと言っていた。

今は、鼻水を垂らしながら傘をさして歩いている。

どうやら夏風邪らしい。 

さらには、熱中症の気配が。

チメは、炎天下の中毎週ゴルフをしているので暑いのは慣れている。

それに登山の為にパーソナルトレーニングに通い、家でも筋トレに励んでいた成果もでているようだ。

だから、いたって元気。

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一方でタラコは、ペースが上がらないまま、ヨタヨタと登っていた。

この夏の酷暑の中、こつこつ低山に行ったり家の近所で重いザック背負ってトレーニングしてたのが、水の泡じゃない!

何とかコースタイムよりかなり早く紀美子平までたどりついた、ここまでくると素晴らしい眺め!

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チメにはまだまだ余裕があるが、タラコは、バテバテだ。

今度は頭が痛くなったようで、薬を飲んでいた。

高山病まで、出てきたようだ。

タラコは気圧の変化に弱い、飛行機や台風の時などいつも辛そうである。

それに加えての3重苦である。

鼻水を垂らしながら、傘をさし、ヒドイ顔で、他の登山者に挨拶してる。

「こんにちは」

チメにはチクチク準備のことを言っていたのに、自分は体調管理ができないなんて。

 

まだ時間には余裕があるしゆっくり進みましょう。ここから先が穂高の懐に入り込んで眺めがグーっと変わってくる、今回の山のメインのポイントになる。

楽しんでいきましょう!

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タラコは無理やりでも、水分に塩タブレットにアミノバイタルをチメから与えられながらなんとか歩いている。

しかし、暑い。

森林限界を超えて、無防備に太陽に体をさらして歩かなければならない。

いつもなら、タラコが、“元気ですか!” “ファィトー!”などと訳の分からない掛け声をしつこくかけてくるのだが、鼻が詰まった上に空気が薄くなってきたので、喋るのも辛そうで黙々と歩いている。

そんな時に、岐阜県側から雲が流れてきた。

ギラギラ太陽が隠れ、心地よい風が吹いてくる。

日差しがなければこの高地では風は冷たい。

タラコは、傘をたたんで、空に向かって、感謝の祈りを捧げていた。

助かった。

ありがとうございます。

まだ、終わりじゃないし、おかげで奥穂高の山頂が隠れてるじゃないの。

まあ少し元気になったみたいだから良しとしましょう。

山の天候は変わりやすい。

 

海の日の連休明けの平日とは言え、人がいない。

紀美子平からここまで、誰にもすれ違っていない。

静かな山。

ほどなく、コースタイムより早く奥穂高山頂についた。IMG_3708


ここも誰もいない。

タラコは、3回目だが、前に来たときは、人であふれていて、祠の前での写真撮影を順番待ちしていたくらいだったそう。

頂上の祠によじ登りタラコに写真を撮ってもらっていると、目の前にジャンダルムが雲の隙間から顔を出す。

凄い形相。

すぐそこにいる。

セレニーテの山をやるお客様で、登った人から話を聞いているし。

穂高を目指した人なら、一回はジャンダルムのことを考えるだろう。

いつかは?

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勇敢にも岩に取り付いている自分を想像するだろう。

ただ、エキスパートオンリーの場所。

安易には、入ってはいけない。

 

チメは気になっているようで取りつかれたように見入っていた。

 

そんな時、少し元気になったタラコが、ザックを背中からおろして、

「馬の背見てくるね」

足取りも軽く、行ってしまった。

チメも誘われたが、つかれそうなので山頂で待つことにした。

馬の背とは、奥穂高山頂からジャンダルムにつながる“馬のたてがみ”のような“ナイフリッジ”が続く国内最大の難所である。

あらあら、チメを置いてタラコが行ってしまった。

同行者を一人にしてしまうのは本来なら、山ではタブーな行為である。

 

「また、チメをイラつかせたいのかしら!」

などと思っていたら、さっさと戻ってきた。

本当にのぞいただけらしい。

凄かったみたい。

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「鼻水が垂れてなければ、行けたかも?」

強がってつぶやいた。

 

少しゆっくりしていたら、体が冷えてきた。

山での天候変化は怖い。

先ほどまであんなに暑かったのに。

 

穂高山荘に向かって足を向ける。

ここから下りで40分ほど。

チメは下りが苦手。

ガレガレの歩きにくい道。

誰もいないから、気にせずに歩けるけど、小さい石がカラコロと乾いた音をたてながら落ちていく。

もしも人が下にいて、当たってしまえば小石でも大けがになる。

気が抜けない。

雲の間から小屋の屋根が見えてきた。

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こんなところによく建てたわね。

“魔法使いが呪文でもかけたのかしら?”

と、思う位に3000メートルの場所に立派に建っている。

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小屋には人もまばら。

 

受付をして、テントを張る。

お疲れ様。

今回は、荷物の軽量化の為に、夕食は小屋でもらうことにした。

17時からだから、それまでは少しゆっくりできる。

うろうろしながら、夕日が見えるポイントを探してみる。

太陽さん、あんなにギラギラしていたのに、今は優しく照らしてくれている。

 

お待ちかねの夕食

コロッケ・塩サバ・角煮・白身のフライ・ハム・野菜・漬物・ など、少しずつ色々な種類のおかずがワンプレートにのっている。

美味しい!

味噌汁は少し濃い味。・

でも山の頂上とは思えない、美味しさ。満足、満足。

 

あっという間に食事を終えたが、日の入りまではたっぷり時間がある。

2人は売店でワインを買い小屋の中で飲みながら太陽の様子をうかがっていた。

他の登山客は写真を撮ったり・本を読んだり・酒盛りをしたり、それぞれの過ごし方を楽しんでいる。

この時間の狭間がなんとも言えないくらい好き。

光の角度で、山の表情が変わる。

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それと同時に、気温がぐいぐい下がってきた。

たまらず、ダウンを着て夕日を眺める。

下のほうに雲海も見える。

素晴らしい!

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日が落ちると途端に静かになり、同時にすることがなくなり、テントの中でゴロゴロしているうちに2人とも眠りに吸い込まれてしまった。

 

静まりかえった闇の中で、チメが起き上がりモゾモゾとテントの外に。

トイレにでも? 

すぐにテントに戻り、

「タラコさん」

ゆさゆさと起こされる。

「トイレ?」

「ううん、大丈夫」

時間を見ると11時になったばかり。

3時間近く寝てしまったようだ。

「ほら、星が凄いよ~」

テントから顔だけ出して空を見上げると、文字通り満天の星空。

360度テントの周りを囲んでいた。手を伸ばしたら届きそう。

これを見るためにここまでやってきた。

こんなにたくさんの星が近くに見えるは今までの山ではなかった?

 

これなら天気も大丈夫でしょう。

明日は、上高地に降りるだけ。ゆっくり休みましょう。

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