物語

2018年09月28日

チメ不帰キレットを🧗‍♂️

​チメ   「ちょっとタラコさん! 今回全然私の出  

                    番がないじゃない!!」

​たらこ  「すいません。」

​チメ  「せっかく毎日スクワット200回もトレー. 二グを積んできたのに。    

     “プンプン” どーゆうこと!」

​たらこ  「すいません、 たまには違う感じの・・・・」

​チメ  「聞こえませーン 腹から声出しなさい! このぷりぷりのお尻どうしてくるの!」

​たらこ  「と言われましても」

 ​チメ  「しかもこんな形で登場させて、昔のTVアニメのつなぎのスピンオフで、主人公が今週は出番がないのを番組の冒頭で嘆いているみたいな感じ。 何とか言いなさい。」

​たらこ  「新田次郎のような、山岳小説を書いてみたいなと」「その代わりに写真をたくさん載せますの  で」

​チメ 「そうなの、勇姿がたくさん?

​たらこ  「もちろん、水着姿も!」

​チメ    「それはダメ」

「しょうがないな。それでは “読者の皆さん! 今回はチメはお休みです!”

 残念ですが、またの機会にお会いしましょうね。 今回はタラコさんにつき合ってやってください。」 



8月お盆休みを利用して23日の登山に向かう。

今回の目的は、不帰キレット。

白馬、後立山の山々をテントで縦走する。

まず初日は、猿倉から白馬鑓温泉小屋まで5時間の登り

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ここ最近の豪雨でかなり道が荒れている。

何とか今日の午前中は天気はもちそうだが怪しい。

下のほうから雲が上がって来るのを気にしながら先を急ぐ。

鑓温泉から下ってくる人たちは、そろって疲れた様子。

昨夜は雷雨だったようだ。

皆さんグッタリした顔で、「今日は良い天気になってよかったですね」

声をかけてくれる。

テント泊をあきらめて小屋に泊まったという人も。

よっぽどの風雨だったのだろう。

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白馬は、8年前に大雪渓をアイゼンをつけて通り栂池に抜けたことがある場所。

今回はルートが違うが、所々に見覚えがある場所があり懐かしい。

23日ならもう少し長く歩くコースもあるが、8年前から一度は鑓温泉の露天風呂に入りたいと思っていた

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それと不帰キレットを通るためにこのルートになった。

標高2000メートルの温泉は、想像以上に良かった。

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午前中の早い時間に小屋について、テントを張ってしまえばあとはやることがなくなる。

景色を見ながらお酒を飲む、食事をとる。

それぐらいしかすることがなくなる。

そこに温泉が加われば、最高!

お湯は熱め

たくさんの湯の花が浮かぶ硫黄泉

露天風呂の淵に腰掛け体を休め、眼下の雲海が色に染まるのを見ながら、いくらでも入っていられる。

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湯船から湯気を立てながら、あふれたお湯が川のようにザブザブと流れて行っている

 

時折、スコールのような雨がシャワーの代わりに熱くなった体を冷やしてくれ

こんなに山でゆっくり時間を過ごすことは初めて

 

雨も上がり静かな夜空には満天の星。手を伸ばせば届きそうなほどだ。

 

翌朝は3時に起床。テントで朝食を摂った後、出発の準備をしながらまだ顔を見せていない太陽でバラ色に染まる空をながめた。

太陽が昇り始める前にもう一度温泉に入り天狗岳を目指し出発。

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今日のコースは8時間は歩く

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朝日を背にしながら、3時間で稜線に出る。

あ~下の方から雲が上がってきている今日はほんとに昼過ぎには唐松岳頂上山荘に到着していたい・・・。

後半に今回のメインの不帰キレット。

そこまでは晴天の中で稜線を歩く。

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8年前は、白馬から乗鞍岳の稜線を歩くときはガスがかかり何も見えなかった。

今回は、剱岳がはっきり見え、その右手奥に日本海が見える。

マジ最高の眺め~‼

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稜線を歩くこと30分くらいで、昨年に雪の為つぶれてしまった天狗山荘に到着

まだ復旧できていない。

資材が上げられず、今年の再開は難しいらしい。

登山者の為に売店とトイレの提供をしてくれている感じの良いおかみさんが出迎えてくれた。

 

この先天狗岳に上がり、そして天狗の大下り。長―い下り。

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反対側から登って来る方は、みんな一様に汗だくで息が上がっている。

こちらから下るコースを選んでよかった。

 

この先が、北稜

思っていたよりエグイ絶壁が立ちはだかる

正直ビビった

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先行の方のルート取りが参考になるが、見ているほうが怖い。

あんなところを通るのか?

引き返すわけにはいかないし、行くしかない。

富山側、長野側を折り返しながら進んでいくのだが、富山からは冷たい風が、

長野からは、ギラギラの日差しと生暖か風が吹いていた。

稜線をまたぐだけでこれだけの体感温度がある

±5度は違う。

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そして富山側から、怪しい雲が張り出してきている。

天気予報でも午後から崩れてくる。

不帰を通過するまではもってほしい。

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今のところ、二人とも元気で、コースタイムより早く歩けている。

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無事にキレットを通過して唐松岳につく頃には、ガスに囲まれ視界は真っ白になっていた。

そして、登山道が渋滞しだした。

唐松岳山荘から、20分程度に上れる山。

子供から年配の方まで。

ぽっほっと雨が降ってきた。

本降りになる前にテントを立ててしまいたい。

 

ここテント場は、小屋から100メートルは下る場所にしか張れない。

それなのにトイレは小屋の中にある

そのたびに重たくなった足を引きずりながら登るのは、罰ゲームの様だ。

幸いにも小屋に一番近い場所に張ることができた。

晴れていれば、すぐ目の前に剱岳が見えるはずなのに

無情にも天気予報は的中

直ぐ近くで雷鳴がなり轟き、ほどなくして雨。

しっかり踏ん張らないと、体を持っていかれるほどの強風

そしてテントの周りに小川できるのに大した時間はかからないほどの雨

一瞬やんだのを見計らって、テントの位置を変え、川がこれ以上

大きくならないように石をつんで、土手を造った

その後も容赦ない風と雨を受け、テントは徐々に浸水してきた。

強風であおられるたびに、テントの中に水滴が舞、川の勢いが増すたびに寝袋の下のマットの乾いている部分が狭くなっていく。

それでも不思議なもので、疲れているからか、眠りに落ちる

そして、水滴が顔にかかって目が覚め、時計と、マットの浸水を確認しテントの内側の結露をふきながら朝までもつか計算していた。

 

そしてやっと朝がきた。

いっこうにやまない風と雨のなか、水分をたっぷり吸って重たくなったマットやテントを、ザックに押し込め、下山を始める

長野側に降りれば、少し風が弱まることを期待し、ロープウェイのところまでいけば何とかなると思い、濡れた岩で滑らないように足早に下山していく。

 

晴れていれば、歩いてきた白馬の山や、足元辺り一面高山植物をゆっくり見て歩けるのに。

 

徐々に風が弱くなったが、雨は相変わらず降っている。

ロープウェイの駅についてホッする。

早く山を下りて白馬駅の近くで温泉に入り乾いた服に着替えて何か食べたい。

 

そして、特急あずさで新宿に向かう。

次はどこに行こうか。

 

 



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2018年07月20日

下北沢のチメ ゴルフ編

7月を待たずに梅雨が明け、連日30度越えの暑さにウンザリしつつ、チメはウエザーニュースで次の火曜日の天気を確認し、ため息をついた。そして叫んだ。

死んじゃう!

毎週火曜日のお休みに、ゴルフに行くチメは唸っていた。

雨も嫌だが、ここまで暑いと調子が出ない。

今年の目標がまだ達成できていない。

 

‘一人ゴルフ’とチメは言っている。

登録している方がそれぞれ一人で参加して、新宿からマイクロバスでゴルフ場まで連れて行ってくれて、その中でメンバーを組んでラウンドする。

ツアーみたいな感じかな?

登録しているメンバーの方々は、曲者ばかり。

常連さんは顔を合わせることが多いので、それぞれの性格はほぼ把握している。

年齢的にはチメより上の方がほとんどで、なかには80歳近い強者もいる。

チメ自身も80までゴルフをしたい様だが。

ただ年を重ねると、人間はわがままになる。

メンバーも面倒な方が多い。

 

ゴルフの朝は早い。

新宿を、7時出発だとすると、チメは3時30分には起きている。

下北沢の自宅からタクシーで15分足らず。

瞑想から始まり、ストレッチして体を目覚めさせ、シャワーを浴びて念入りに髪をブローするには、この時間に起きるしかない。

このルーティンをこなすのに忙しい。

そんな時に、タラコが‘山行くから5時に起こして’などとほざく。

子供じゃないから自分で起きなさい。

ルーティンが狂うじゃない。

タラコも面倒である。

 

行きのバスの中では、せっかく整えた体と、精神状態を他人に崩されたくないし

寝不足の時など少しだけでも睡眠をとりたい気持ちはわかっていただけるだろう。

そんな時に、おしゃべりでチメが苦手なおばさんが隣になってしまったら最悪。

ずーと、チメにはわからない友人の話やらを、話しかけると言うより、念佛を唱えるように独り言?

そんなときのチメは、鋭い眼光に‘ぶつぶつうるさい!静かに寝かせて!!’という念を込めて睨みつけ黙ってもらう。

その後おばさんは通路をはさんだ反対側の人にぶつぶつ念佛を唱え始めた。

皆が迷惑しているのがわからないみたいね。

 

ゴルフは、メンタルの状態に左右されるスポーツ。

せっかく朝の3時過ぎから整えていたのに、台無し。

皆、一人で参加してくるのでそれなりの腕や癖に加え図太さがある。

これも修行だと思って、我慢。

 

中には、気が合って仲良くなり別に約束してラウンドする人もいるのだが、まれである。

 

そして、メンバーが発表になるのだが、中には毎回のように他人が打った後に‘強い!’

‘短い!’と余計なことをほざくオヤジや、歴が浅いのか微妙に気の利かないおばさん。

人が打つ時に真後ろに立つ、人のパッティングライン上に立つなど危ないし気が散る。

そんな方と一緒になるとまた最悪。

すべて修行。メンタルを鍛えるのだ。

 

月に12度は高校の同級生や、気の合うゴルフ仲間ともラウンドしている。

そういえば以前に同級生女子4人でラウンドした時に、みんなのスコアが88でそのスコア票をタラコに見せたら、目を丸くして8が4つも並ぶなんて!ミラクル!’叫んでいたわね。

やはり仲の良い同志で行くのは楽しい。

みんな上手くてライバルだけど。

 

ゴルフというスポーツに詳しくないタラコはよく‘プロテストを受けなさい’などという。あまりにばかばかしい発言なので相手にはしない。ちなみにチメのベストは82。

今年中に70台を出したいのだが、いまいち調子が上がらずに夏になり折り返しに来てしまった。梅雨が早く明けたおかげで天気が良いのはいいが、体調管理、食事に気を付けなければ。

 

それなりのゴルフ場でもレストランのランチがヒドイこともある。

普段はナンが美味しいカレーを出しているところで、何故か“カレーフェス”をやっていたことがある。何種類からか選べるようになっていたので、チメはバターチキンカレーを選んだ。

これが最悪に不味かった! 予想をはるかに超える不味さ。

初めてカレーを半分近く残してしまった。この黄色だかオレンジだかの見た目に、ぼんやりした味?カレーフェスなんかしないでいつものカレーを出しているほうがはるかに美味しいのに?

違うものを注文し直す時間もないし、胃腸がもたれてきた。こんな状態では、午後のラウンドにひびいてしまう。

 

思い出した。

以前タラコが家で作ったカレーを鍋ごと捨てたことがある。

修正不可能なカレー。

どうしたら、こんな味に作れるの?

問い詰めて見ると、気分がタイだったようで、奥にしまってあったトムヤンクンの素を入れたらしい。アホですか?

当然のように酸味がする。

タラコは何とかしなければと、頭に浮かんだのが‘ココナツミルク風’にすればマイルドになる?

ココナツミルクがないので、何を思ったか、牛乳を入れた。

見た目は確かにマイルドな感じですが、部屋中に生暖かく酸っぱい牛乳の香りが漂う。

チメは、牛乳と酢モノが嫌い。

その後チメがどのような態度をとったかは、ご想像にお任せします。

それからタラコは余計なことはしなくなった。

食べなくても、ナンバーワンの不味さ。

 

ゴルフは、メンタルと体調に左右される。

 

やはり夏のゴルフは、日焼けや化粧崩れが気になる。

これもまたイライラする原因でもある。

チメは試行錯誤して、究極のベースとファンデーションにたどり着いた。

なぜ日焼けに気を使うか?

ラウンド終わりのお風呂である光景を見たのがきっかけ。

そのお風呂場は窓から夕陽が差し込み、洗い場付近が影になっていた。

‘あれ?ここの洗い場は鏡がない?’

よく目を凝らしてみてみると、浅黒い下駄のように四角く幅広の背中が3つ並んでいた。

レスラーでもいるの?

背中が鏡を覆い隠していた。

 

また、いつかの同級生とのゴルフでのことである。

先にトイレに行った友人の後を追い化粧室に入ろうとした瞬間、勢いよくドアが開いた。そしてアッコさんのようなツヤツヤヘアーに真っ黒に焦げた肌をしたおばさんが、サッサーと出てきた。

チメは思わず身構えてしまった。

振り返りつつ中に入ると先にトイレに入っていた友人が、‘今ゴキブリが出て行ったでしょう!’確かに、あの色、ツヤ、動き!私も気を付けなければ。

チメは筋肉質なうえ、すぐ色を吸収して黒くなる。

するとタラコが‘大会に出れば?’と言い出す。ボディービルの大会のことだ。

そんなタラコにはイラつくが、チメもまんざらではなく、ついついポーズを決めてしまう。

ただ、ゴキブリにはなりたくない。

 

マイクロバスを運転するドライバーさんも色々だ。

ドライバーはただ車を運転するだけでなく、アテンドしたり時にはお客と一緒にプレーをしたりするのも仕事だ。

行きも帰りも手早くキャディバックを積み、ゴルフ場の込み具合からスタート時間を早めたりするのも機転が問われるところだ。

機転が利く人は、帰りも渋滞を見ながらルートを選択して少しでも早く新宿を目指そうとしてくれる。

反対にどの行動を見ても、やっつけでしか仕事をしていない人もいる。

しゃべり方も立ち居振る舞いも緩慢で覇気が感じられない。多分仕事が嫌いなのだろう。

数人いるドライバーを見比べるだけでも「どんな仕事にもクリエイティビティが必要だな」などと帰りのバスの中で考えさせられてしまう。

またこの帰りの時間もチメには大切である。

今日のラウンドの反省をしながら、練習の時に撮ったスイングの動画を確認してみたりと色々考えることがある。

幸いにも、おしゃべりなおばさんは離れた席にいる。

今日のドライバーさんは、仕事ができる人。ルートをうまいこと選んでいる。

残念なのは、ベーシックルートでいつも寄る、ミニストップのパフェが買えないこと。

下北沢にはミニストップがなく、この季節限定のパフェを楽しみにしているけど、

早く帰れるのなら仕方ない。

今日はタラコのごはん当番。

ちゃんとした食べ物を作っているかしら?

 

窓の外には、地平線と平行に帯状の雲が長ーくどこまでも伸びていて、そこに夕日が沈もうとしている。

雲が海に浮かぶ島のようにも見える。綺麗・・・。

やっぱりゴルフはやめられない。

 

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2018年06月28日

下北沢のチメ 奈美恵


メは梅雨の中休みの早朝に魔古来亭キッチンに立っていた。

久しぶりに雲のない空から朝日が柔らかく差しこみ、家の中はあまーい香りに包まれている。

チメは、ぼーっとしたままクッキーを焼いている。

TVには全米女子オープンゴルフが映し出されていた。

今日ご来店予定のお客様の人数を確認しながら、気が付けば以前よりもクッキーの種類が増えていた。

セレニーテ20周年を迎えるにあたり、ほんの感謝の気持ちでご来店いただいたお客様に差し上げ始めたクッキーがあまりにも評判なのだ。タラコもうまいうまいと声を大にしてしつこく繰り返すので、その気になってしまった。

チーズスティック、ベリージャムとマーマレードのロシアン風クッキー、マカダミアナッツ入りのシナモンクッキーなど、どんどん腕をあげている。

5時起きが続くのはちょっとつらいけど、お客様に感謝 感謝。

 

プラス、今年の一大イベント! 奈美恵のファイナルツアー東京ドームに向け毎晩遅くまで歌詞の確認にいそしんでいた。奈美恵にゴルフに調理と忙しくて寝不足が続いている。 そんな夜にタラコが急に、アマゾンプライムで映画を見始めた。

私の安室ちゃんに割り込んできて! チッ!

それが“ミリオンダラーベービー”。 はじめは面白く引き込まれたが、結末が・・・。

頭から離れず、そのおかげで寝つきが悪く目覚めもスッキリしない。そんなタラコはまだ起きてこない。

当たり前か、まだ5時だもの。

安室ちゃんといえば、今年の2月にタラコと2人で、福岡ヤフードームにライブを見に行ったことを思い出す。ライブを見て、もっと前からお店を休んでも行っておけばよかったと思うくらい楽しかった。

後悔が残る。

しかし思い返しても福岡はよかった。ライブはもちろんだが、 もつ鍋、鳥すき、かしわてん、トリカワ、ラーメン、餃子、うどん、海産物、 美味しいもの!そして日本酒!

洗礼された日本一おしゃれな街とファショニスタ達。都心からすぐの雄大な自然。

そして何よりも温かい人!

天神近くの川沿いにある日本酒のバーで出会った俳優の山田孝之似のイケメン君。

人なつっこく、彼は仕事で取引先の接待で飲みに来ているのに、早々に先方を送り出し、すぐにお店に戻ってきて深夜3時まで一緒に飲んだ。

すると次の日?というか朝に連絡があり、ランチに誘ってくれてご一緒した。

福岡の人の温かさを知った旅でした。

もしくは、ただ山田君が“なつっこい”だけかもしれません。

そして、安室ちゃんは東京でファィナルを迎える。

感慨深い。

そういえば福岡ライブ後に号泣しているタラコをみてあっけにとられていたチメに、

「なんで泣かないの!」と強要していた。そして昨夜のDVDをみて振り付けを確認しているチメの隣でもまた号泣していた。

オジさんってなんでこうも涙腺が弱いの?

まったく、世話がやける。

そんなことを考えていると、TVでは最終ホールでプレーオフが決まった場面だった。

時計を見た。そろそろタラコを起こさないと。何かつらそうな顔をして起きてきた。

どうやら筋肉痛のようだ。

昨晩の映画の内容がボクシングだったので、最近怠けていた腹筋ローラーをガンガンやっていたからだ。

それは多分、映画の影響だけでなく、チメがいつものようにボディービルダーのポージングで6つに割れた腹筋を見せつけていたからに違いない。

そうご存知のように、チメの体は筋肉質である。

流行りのクロスフィットトレーナーのAYAさん張りの上腕二頭筋、“クッ”とあがったヒップ、そしてクリスチアーノ・ロナウドばりのシックスパック!

余計な脂肪など皆無で体脂肪率がアスリート並み!

もう少しでマラソンランナーと同じくらいになってまいそうなのだ。

これは、ガリガリで少しでも筋肉を付けたいタラコには屈辱的である。

それで頑張りすぎてこのありさま、フフフ・・可哀そうに。

 

今日こそは、お茶も出来上がっているし、タラコさんにもっていってもらいましょう。

先日など、出かけにもっていってとお願いしていたのに、見事に忘れていきやがる。

絶対わざと!?

何やら最近、タラコは暇を見つけては、チメのことを題材にブログにノンフィクションのお話を書き始めている様。本人は、ハードボイルドを目指しているようだが、どうだか。話の展開などはまあまあ面白いのだが、なにせ日本語が苦手なものだからチメの校正なしには文章が成り立たない。大幅に修正されたのがショックで腹いせにわざと置いて行ったに違いない。イラッ。

タラコがどんなに嘆こうとチメが手直ししたほうが面白いからね。へっへっ。

 

そろそろ出かける時間になった。

昨夜みたウェザーニュースによると午前は晴れ夕方から豪雨の予報。

魔古来号で出動できるかしら?

雨続きだったおかげで魔古来号のチェーンがギコギコと音がなっている。

ヤバイ状態のまま昨日はタラコが三軒茶屋に行くのに魔古来号を使った。

非力で坂を上がれなかったと嘆いていた。ちょろいわね~。

チェーンにオイルだけは差しといたからって、恩着せがましく言ってたけどどうせなら自転車屋に持っていてくれればいいのに。

 

いけない、いけない。いつもの時間より10分ほど押してしまった。

混んでくると、お気に入りの席がなくなっちゃう。

急いでカフェに向かわないと。

さて今日はどんな人に出会えるかな?

 

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2018年06月18日

下北沢のちめ   憂鬱

ここ最近は雨の日が多くなってきた。

チメ子はいつものカフェでモーニングを食べながら物思いにふけっていた。

あ~梅雨は嫌だ! 髪の毛はまとまらないし、足元が気になりレインブーツをはかなきゃいけないし、なによりも魔子来号に乗れないのがイラッ!

移動に時間はかかるし荷物は重い。

チメ子はデトックスのために飲んでいるパキスタン産のジールというお茶を、毎日2リットルのサーモスに入れてお店まで運んでいる。毎朝鍋でグツグツと煮出すのだが、けっこう時間がかかり、先に出勤するタラコに持たすことができない。重い!

でも体調&体形キープのためにもこのお茶はやめることができないのだ。

 

さらにここ最近チメ子は睡眠不足。

なぜなら、セレニーテの20周年を迎えるにあたり、お客様へのささやかな感謝の気持ちとして手づくりクッキーを毎朝5時に起きて焼いているから。

はじめは3日間と思っていたが、タラコがうまいうまいというし、お客様の喜ぶ顔を見ているとやめられず1週間になる。

でも、タラコのうまいは何か怪しげ??

私が安室ちゃんのライブTシャツをファイナル前にもう一度お洗濯し、綺麗に畳もうとしたら、なんだかいつになく毛がいっぱいついている!!

どうやらタラコがお店で着ていた“毛だらけ”の服を一緒に洗濯したからだ!イラッ!

確認してから洗濯機に入れてと言っているのに。

あのしつこいまでの美味しい発言はご機嫌取りに違いない。

タラコは世話を焼かせる。 思い出してしまった。

シナモンのクッキーがお気に入りのようでバクバク食べていたわね。

まあいいでしょう。

あ~私のハワイの心地よい風を返して!などと嘆きながら耳まできれいにバターが塗られたパンを咀嚼していると。

「いらっしゃいませ!」

カフェの入り口ドアが開き「空いてる空いてる、いつもの席あいてるよー」という声とともに3人が入ってきた。

1人は男性で50代以上。細身の派手なストライプのパンツを穿き、少し元気がなくなった長めの髪をかなり明るめに染めている。あれはどう見ても美容室のオーナー。

長年の勘で同業者はひと目で分かってしまうのだ。

後の2人は、美容師とは思えない妙齢女性。

3人は喫煙席の少し奥に座った。

お店のお客様? 仲良さそうな感じだからよっぽど長年のお客様なのかな?

興味津々とチメ子は耳をピクピクさせながら、残りのパンを小さな口に放り込んでアイスコーヒーで流し込んだ。

美容室のオーナーはかなり砕けたかんじでおしゃべりしてる。

「○○ちゃんは、どんな雰囲気にしたいの?なんか希望ある?」

すこし若いと思われる女性が答えた。

「私は普通に白っぽくて清潔感がある感じならそれで。先生の趣味とだいぶちがうけど。」

先生って呼ばれてる。ってことはあのオーナー60才は越えてるかもね。

髪型の話じゃない。

お店の一角を仕切って何かするって話だ。

マッサージ?いやあの人の感じからすると、なにか占い的なものに違いない!

ということはあの人は占い師。

なんの占いかしら?

下北沢には、路上の占い師さんも多数いるし、カフェに占い師さんがいるところもあるし珍しくはないけど。俄然興味が湧いてきた!

皆さんご存知の通りチメ子はタロットの使い手。タラコは魔法使いと呼んでいる。

そしてチメ子は、ディズニー映画「ダンボ」に出てくるネズミのティモシーのようにさらに耳を動かしている。

チメ子は嫌なのだが、タラコが似ている似ていると言う。

 

もう少し話を聞きたいけど、ちょっとお腹が痛くなってきた。

ここでタイミングを逃すと・・・・。

いまならお手洗いも空いているし大切な朝の儀式である。

これが滞りなく済むのと、すまないのでは、一日を通してのパフォーマンスに影響がでる。

今日はありがたいことに終日お客様がいらっしゃる。ここはしょうがない。

後ろ髪を引かれつつお手洗いに向かった。

このカフェのお手洗いは構造が少し変わっている。

女性用が左側で男性用が右側。女性用個室の外には専用の洗面台がある。

何故か女性用の洗面台はお店の中からよく見える位置にあり、男性用お手洗いの方が奥にあるのだ。

男性は女性用洗面台を横目で見ながらトイレに向かうかんじ。普通逆でしょ?

個室の中は綺麗でかなり広い。とりあえず他にすぐにお手洗いに立ちそうな女性がいないことはぬかりなく確認してある。ゆっくりスッキリできそうだ。

しまった今日はオールインワンのパンツスタイルでしかも上着を着たままだった。

大好きなオールインワンだけどお手洗いの時は大変。

少し慌てながら上着を脱ぎ、背中のファスナーを下ろそうとしたタイミングで足音が聞こえドアの外に人の気配が!

どうやら洗面台の前で順番待ちをする気ね。まじですか。

これじゃ落ち着いてすっきりできない。自分の入ったあとのお手洗いにすぐ人が入ってしまうのはあまり気持ちよくないし。

しょうがない、あきらめよう。

イラっとしつつ下ろしかけたファスナーを上げ、上着を着直しドアを開けた。

そして洗面台の鏡越しに目が合ったのは、なんとおっさん!

女性用の洗面台で鏡をみつめるおっさん。なんだ?このおっさん。

女性トイレマークがわかんないわけ?

チメ子は思わず「えーーーーっ!!」と思い切り声に出して抗議の気持ちを表現した。

そしてもう一度個室に入り直し盛大に音を立ててドアを閉めた。

ちゃんとスッキリし直すのだ!!

なんだ、あいつは。間違えるような年齢でもなかったよね?

あれ確信犯?洗面台使うだけだからいいと思った?

いや、それにしてもデリカシーないでしょ。あとで睨みつけてやる。

 

いやー!! せっかくの面白そうな話を聞くのを中断してお手洗いに来たのに、余計に時間を取られてしまった。

最終的にはスッキリできたから良かったけど。

 

お会計の時にさっきのおっさんを見つけた。お会計の間も店から出る間もお店の外からもずーっと睨み続けたが、おっさんは気づかぬふり(多分)でテーブルに置いたPCの画面を見つめ続けていた。やっぱりあれは確信犯だ。謝れ!

 

このカフェは下北沢の色々な人が集う場所で面白話が聞けてお気に入りだが、男女の洗面所の位置を逆にするべきだ。と、チメ子は声を大にして言いたい!

 作 タラコ マコ
校閲 マコ

 

 

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2018年06月07日

下北沢のちめ    魔古来号🚲

今日も爽やかな朝。

昨日の夜少し肌寒かった。最近気温の上下が激しい。チメは天気に敏感である。

そういえば、またタラコがお客様に「最近温暖差が激しいですね」などと言っていた。

客様には意味は通じているのだろう。微笑みつつ耳を傾けてくれている。

タラコは日本語が苦手だ

 

昨日の夜もチメでは飽き足らないのかチネ、チネ呼び始めた。

今度はどこから取ったのやら、意味の分からないニックネームが増えて行く。

そうチメは沢山の名を持つ女。

愛車の青い魔古来号(まこらいごを出して、セレニーテに向かうためペダルをこぎはじめた。ちなみに魔古来も旦那がつけた。マコと、魔女と古来を合わせたらしい?

漢字は初めてみる!?

朝からしょうもないことを考えながらもきっちり減速し住宅街の角を曲がった瞬間!

危な 小型犬が出てきた! し・か・もリードをつけてない なんでーー?!

なんと、飼い主の年配男性は少し離れた後ろをのんびりと歩いている。

呆れ顔で男性と犬を交互に見たが、どこ吹く風でチメの視線を気にも留めない。

チッ轢いちゃったらどうするのよ!」口に出さずに毒づいた。

最近こんな輩が多い。いくら住宅街でも、ノーリードで犬に前を歩かせている飼い主のモラルを疑ってしまう。下北の街中でもたまに見かける

きっとわんこの排泄物も放置してに違いない手ぶらだったもの

このことを先にセレニーテに行っているタラコに報告しなきゃ

 

チメは北沢から少し坂を上がった代沢の住宅街に住んでいる。この坂が地味にキツイ。

タラコは10分程歩いて店まで通っている。

朝は下りだから気持ちいい。(帰りの登りがキツイけ

朝の爽やかなハワイのような空気を感じながら魔古来号で走ると嫌なことも忘れてしまう。

そうチメはハワイが好き。

 

気分よく下北沢の商店街を颯爽と駆け抜けていく。

そうそう、最近下北でもガラガラを引いた外人をよく見かける。

あれも集団で歩いたりするから結構邪魔なのよねー。

そういえばタラコお客様に「下北沢も西洋人増えましたねー」って言ってた時期があったな。あんたは江戸時代の人

優しいお客様笑顔で相槌を打ってくれていたが、あの笑顔受けてだけなのかも

タラコは日本語が苦手。何度か注意して、最近はやっと西洋人とは言わなくなった。

 

あれこれ考えてるうちに、ビレバン前に到着。

もちろん自転車撤去の日にちを確認してから、自転車にチェーンを掛ける。

もしまた撤去されたら、今年になってから4回目になってしまう。

いくら保管場所が梅ヶ丘で近いとは言え記録更新はしたくないし、ゴルフの練習に行くのに不便だし時間がもったいない。

というわけで駐輪には細心の注意を払っているのだ。

 

そして、今朝もまた下北沢のディープな方々が集うカフェへの階段を降りていく。いつもの顔が居るのを確認した後NO.1に先客が座っていたため、お気に入り席NO.3に座った。

新米店員さんがタイミングよくオーダーを取りに来る。

Aモーニングを頼み、昨日のゴルフコンペのスコアをチェックしながら心の中でボヤ

ここ最近の寒暖差のせいで、読みが外れうまく服装の調整ができなかった

おまけにスコアはいまい

こまめにウェザーニュースはじめ3つのサイトでゴルフ場の天気をチェックしてるのに。

おもいだした、昨日私がせっかく開いておいたウェザーニュースをタラコが閉じていた。   

パソコンが共有なので仕方ないか? 待てよ買ったのは私。

タラコは時々めんどを掛ける。

「まったく・・・・。

ア!いやだ、こころの中で呟いたつもりがついつい声に出てしまっていた!

幸いにもとなりの席は空いていた。

気をつけないと、あだ名が、'つぶやくバターおばさん'に、オプションを追加されてしまう!

そうこうしてると、新米店員さんがモーニングセットを笑顔で運んできた。

「お待たせ致しました

よしよし、新人さんも慣れてきたし、今日のバンの焼き加減にバターの量は合格よ💕

 

チメがいつも座る一番お気に入りの席は、入り口を背にした壁際の席

周囲の目を気にせず、心おきなく自分のスイング動画をチェックできるのだ。

今日の席は3番だけど店全体が見渡せるし、お手洗いが空いているかもチェックもしやすい。

いざ(?)というときに迅速に逃げやすい場所でもある。

 

今朝はノーリードわんこにびっくりしたが、ここまではスムーズにルーティンをこなしている。

チメは、この毎朝のカフェで過ごす時間を大切にしている。

 

いい具合にバターが塗られたトーストを咀嚼しながら、来月予定している友達ファミリーと行くゴルフ場の予約を確認していた。平日なのに込み合っている。やはり5月はトップシーズンね。幸いにも9時30分スタートに空きが出てるから、とりあえずキープしましょう。

チメは毎週ゴルフに行く。

 

「いらっしゃいませ」2人組のお客様が入ってきた。そしてチメからよく見える席についた。

男女の、カップルではなさそうな下北沢には似合わない様相。

男性は、40歳前後肌は浅黒く体格が良い、今時珍しい長めの髪型。体格に不釣り合いな細身のスーツで、座ってからもやたら腰をくねらせ足を組み直している。

「なんかキモイ」さらにしゃべる声が、酒焼けしてしゃがれている割には甲高い。

そのくせぼそぼそしゃべるので聞き取りずらいちょっと耳障りだ。

「なんかイラつく」 チメの嫌いなタイプだ。

女性は、20代後半?ばっちりメイク綺麗に染まっているとはいえないベージュの胸まである髪をかき上げている。服装は、派手な柄のワンピース。あんな洋服どこで?ケバイしこの時間の下北には不似合いだ。

声はハリがあり良く通るでもしゃべり方はぶっきらぼうでだるい感じ。

よく見ると30歳超えてる

 

新米店員さんがオーダーをとりにきた。

男が「コーヒーふたつ」

店員さん「ホットコーヒーをふたつでよろしいですね」

男「****」

店員さん「?・・ はい、少々お待ちください。」

 

おまえが腹に力入れてしゃべらないから店員さんに聞こえづらいだよ!と心の声。

このセリフ、以前セレニーテの社員旅行をオーバーブッキングさせた、旅行会社の仕事のできない若い社員を思い出させる

“上司を出せと”言っているのにその場を何とか取り繕うと、ぼそぼそとしゃべてた

頭にきて「腹に力入れてしゃべりなさい!」と叱りつけた声が大新ビルの外階段に響きわたった。びっくりしたタラコがお店の中から顔をのぞかせてたわね。思い出してしまった。

 

店員さんきびきびと厨房にむかう。

頑張って。またも心の声。

 

男は煙草を吸いながら「早速、はじめ****」

女「はい」こちらも煙草に火をつけながら。

いっきに店内がもくもくしてきた。

あー、髪の毛と服が臭くなってしまうじゃない!!

またタラコ人の匂いをくんくんと鼻をひくつかせてかごうとされてしまう!!

「いやだ!」といつも言っているのに。

タラコは、チメの香りをかぐ。

 

異質な二人の会話は、図らずも耳に入ってくる。どうやら仕事の面接らしい。

なんの仕事?

待機時間がどうとか・・・。何を待機するだろう?

読書しながらも二人の会話が耳に入りになってしまう。

 

面接というよりもほぼ仕事内容の確認というかんじ。

男は早々に「連絡する」と言って立ち上がり、伝票もってレジに向かった。

なんの面接かは、はっきりとはわからなかった。

女は残ってコーヒーを飲んでいる。

しばらくして、電話で話し始めた

「今終わった」

 「え?」「騒々しいわね、まだ飲んでるの?」

 「え?」「うるさくて聞こえない」

 

今の時間は、朝の8時30分。

 

こちらにはよく聞こえるよー。腹から声出てねー

どうやら彼氏かね。バイトの面接にきて彼に報告しているところ

 「 完全歩合だって。でも待機時間けっこうあるかも。

しかし何のバイト?

 「一客につき、*****円」

 「え?安い!そうなの?

 

接客業かしら?歩合?どう見ても美容師ではない。

 

「いらっしゃいませ」

常連のみっちゃんのご来店。

相変わらず、派手! 杖を突きながらいつもの席に向かっていった。

 

面接女はそのうち電話の向こうの彼と痴話げんかをはじめた。

エキサイトしすぎて自分の声が店内に響き渡っていることにも気づいていない。

あーあ。本人のディープな仕事も、一緒に住んでる彼氏がホストであることも全部丸聞こえ。

シングルマザーでどこか地方の実家に子供を預けていることも。大変な人生なんだね。

 

聞きたくもない話を聞き、知りたくもない職業を知ってしまった。

しまいに彼女が馬鹿にしないで、ザッケンナと怒り狂っているところに

バッテリー切れか電話が通じなくなったらしい。それとも相手が切ったのか。

「もしもし!もしもし!・・・・・もしもしっ!!!!」

1人叫ぶ彼女の声が虚しく響き渡る・・・・。

 

私の大切な朝の空間で、そんな面接しないでー。そんな痴話げんかしないでー!!!!

ここは、下北沢の色々な輩が集うカフェ。

 


作  タラコ   マコ

編集  校正  マコ



serenite0601 at 19:29|PermalinkComments(0)