2018年08月
2018年08月23日
下北沢のチメ 奥穂高岳へ
海の日、仕事終わりにチメは新宿にいた。
梅雨明けと共に連日猛烈な暑さが続く。夜になってもまだムシ暑さは引かない。
生暖かい空気が、「暑い!」
仕事帰りに一杯やって出来上がった、「人が!」
イラッ!!
チメは、下北沢にいるときと様子が違う。
6キロを越えるザックに、両手には着替えと登山用ブーツに食料をもっていた。
「重い!」
今チメは北アルプスに向かう夜行バスに乗るためにバスタ新宿に来ていた。
もちろんお供のタラコを従えている。
連休の最終日でバスタは込み合っていた。
新宿から上高地までの夜行バス。
そして奥穂高を目指す!
チメにとって1年ぶりの登山。
靴とTシャツを新調した。
本来なら2泊3日のコースを、テント泊1泊2日で行く。
靴とTシャツを新調した。
モチベーションを上げるためには、甘―い蜜が欠かせない。
不安がないわけではない。
タラコは、一人でコツコツとトレーニングを積んでいた。
もちろん、テントはタラコが持つ。当たり前だ。
チメの倍の重さのザックを背負う。
なのにさっき仕事終わりに「なんか喉が痛いんだよねー」って!!
大丈夫なのだろうか・・・。
バスは22時25分に新宿を出発して翌朝5時過ぎに上高地に着く。
3列の独立シートに電源、Wi-Fi、毛布、にトイレ付。
今年からか、車両が新しくなり、きれいな室内で居心地は悪くない。
が、2回の休憩でサービスエリアに止まったり、揺れが気になったりでしっかりとは睡眠をとれないのが常である。
寝不足で8時間以上の登山は体力的にきついし、高山病にかかりやすくなる。
ただ、しっかりと水分を取っていればある程度は高山病のリスクを減らせるということも経験の中で学んだ。二人ともそれなりにトレーニングを積んでるし、頑張ろう。
途切れ途切れに睡眠をとっている間にバスは高速を降り、新島々のバス停あたりで空が明るくなってきてた。どうやら晴れている!
「ヨシッ!」テンションが上がる。
今回のルートは、上高地から、岳沢を経て、重太郎新道で紀美子平、吊尾根から奥穂高岳、そして穂高山荘でテント泊になる。
チメも紀美子平までは登ったことがあるルート。
その時は前穂高に上り、ピストンして岳沢でテント泊した。
このコースで岩登りの面白さに目覚めたチメ。
四肢を使って岩に取り付きながら、「楽しい!!私って岩女だったのね!」と新たな喜びに出会えたことに嬉々としつつ登った。
それ以来、岩稜ルートにしか興味がなくなってしまったのよね・・・・。
でもあの時は下りがほんとに辛くて、タラコに思い切りあたってたな~
今でも疲れると、ついついイライラをぶつけてしまうけど。
そうそう、ここは森の妖精“オコジョ”に出会ったという素敵な思い出もある場所。
「今回も会えたらいいな」と 期待に胸が膨らむ。
1週間前までは、“吊尾根に残雪があり、アイゼン・ピッケル装備”と穂高山荘のホームページに書いあったが、2、3日前には書き換えられ夏道になっていた。
残雪のままならルートを変更しようかと気をもんでいたところだった。
そんな心配が嘘のように上高地は気持ちいいほどの快晴。
ここ数日の異常な気温の高さが山にも届いており、あっという間に雪を溶かしてくれたのだろうか。
上高地をスタートして、岳沢小屋までの途中のところで、
「暑い!」
まだ、7時を過ぎたところなのに、ギラギラ太陽に睨まれている。
タラコは、たまりかねて、ショートパンツにノースリーブで、セクシーな格好になってしまった。知りませんよ!後でどうなっても。
チメの装いは完璧。
紫外線をよけ、清涼感のあるアンダーシャツで装備していた。
高度を上げていってるのに、どんどん気温も上がっていく。
もうこれ以上脱げないタラコは、雨傘を日よけにさし始めた。
“おーい”お爺さん。ここは、上高地セレブマダムが来る場所じゃありませんよ!“
スタートからなんだかタラコの様子がおかしい。
確か昨日、喉が痛いと言っていた。
今は、鼻水を垂らしながら傘をさして歩いている。
どうやら夏風邪らしい。
さらには、熱中症の気配が。
チメは、炎天下の中毎週ゴルフをしているので暑いのは慣れている。
それに登山の為にパーソナルトレーニングに通い、家でも筋トレに励んでいた成果もでているようだ。
だから、いたって元気。
一方でタラコは、ペースが上がらないまま、ヨタヨタと登っていた。
この夏の酷暑の中、こつこつ低山に行ったり家の近所で重いザック背負ってトレーニングしてたのが、水の泡じゃない!
何とかコースタイムよりかなり早く紀美子平までたどりついた、ここまでくると素晴らしい眺め!
チメにはまだまだ余裕があるが、タラコは、バテバテだ。
今度は頭が痛くなったようで、薬を飲んでいた。
高山病まで、出てきたようだ。
タラコは気圧の変化に弱い、飛行機や台風の時などいつも辛そうである。
それに加えての3重苦である。
鼻水を垂らしながら、傘をさし、ヒドイ顔で、他の登山者に挨拶してる。
「こんにちは」
チメにはチクチク準備のことを言っていたのに、自分は体調管理ができないなんて。
まだ時間には余裕があるしゆっくり進みましょう。ここから先が穂高の懐に入り込んで眺めがグーっと変わってくる、今回の山のメインのポイントになる。
楽しんでいきましょう!
タラコは無理やりでも、水分に塩タブレットにアミノバイタルをチメから与えられながらなんとか歩いている。
しかし、暑い。
森林限界を超えて、無防備に太陽に体をさらして歩かなければならない。
いつもなら、タラコが、“元気ですか!” “ファィトー!”などと訳の分からない掛け声をしつこくかけてくるのだが、鼻が詰まった上に空気が薄くなってきたので、喋るのも辛そうで黙々と歩いている。
そんな時に、岐阜県側から雲が流れてきた。
ギラギラ太陽が隠れ、心地よい風が吹いてくる。
日差しがなければこの高地では風は冷たい。
タラコは、傘をたたんで、空に向かって、感謝の祈りを捧げていた。
助かった。
ありがとうございます。
まだ、終わりじゃないし、おかげで奥穂高の山頂が隠れてるじゃないの。
まあ少し元気になったみたいだから良しとしましょう。
山の天候は変わりやすい。
海の日の連休明けの平日とは言え、人がいない。
紀美子平からここまで、誰にもすれ違っていない。
静かな山。
ここも誰もいない。
タラコは、3回目だが、前に来たときは、人であふれていて、祠の前での写真撮影を順番待ちしていたくらいだったそう。
頂上の祠によじ登りタラコに写真を撮ってもらっていると、目の前にジャンダルムが雲の隙間から顔を出す。
凄い形相。
すぐそこにいる。
セレニーテの山をやるお客様で、登った人から話を聞いているし。
穂高を目指した人なら、一回はジャンダルムのことを考えるだろう。
いつかは?
勇敢にも岩に取り付いている自分を想像するだろう。
ただ、エキスパートオンリーの場所。
安易には、入ってはいけない。
チメは気になっているようで取りつかれたように見入っていた。
そんな時、少し元気になったタラコが、ザックを背中からおろして、
「馬の背見てくるね」
足取りも軽く、行ってしまった。
チメも誘われたが、つかれそうなので山頂で待つことにした。
馬の背とは、奥穂高山頂からジャンダルムにつながる“馬のたてがみ”のような“ナイフリッジ”が続く国内最大の難所である。
あらあら、チメを置いてタラコが行ってしまった。
同行者を一人にしてしまうのは本来なら、山ではタブーな行為である。
「また、チメをイラつかせたいのかしら!」
などと思っていたら、さっさと戻ってきた。
本当にのぞいただけらしい。
凄かったみたい。
「鼻水が垂れてなければ、行けたかも?」
強がってつぶやいた。
少しゆっくりしていたら、体が冷えてきた。
山での天候変化は怖い。
先ほどまであんなに暑かったのに。
穂高山荘に向かって足を向ける。
ここから下りで40分ほど。
チメは下りが苦手。
ガレガレの歩きにくい道。
誰もいないから、気にせずに歩けるけど、小さい石がカラコロと乾いた音をたてながら落ちていく。
もしも人が下にいて、当たってしまえば小石でも大けがになる。
気が抜けない。
雲の間から小屋の屋根が見えてきた。
こんなところによく建てたわね。
“魔法使いが呪文でもかけたのかしら?”
と、思う位に3000メートルの場所に立派に建っている。
小屋には人もまばら。
受付をして、テントを張る。
お疲れ様。
今回は、荷物の軽量化の為に、夕食は小屋でもらうことにした。
17時からだから、それまでは少しゆっくりできる。
うろうろしながら、夕日が見えるポイントを探してみる。
太陽さん、あんなにギラギラしていたのに、今は優しく照らしてくれている。
お待ちかねの夕食
コロッケ・塩サバ・角煮・白身のフライ・ハム・野菜・漬物・ など、少しずつ色々な種類のおかずがワンプレートにのっている。
美味しい!
味噌汁は少し濃い味。・
でも山の頂上とは思えない、美味しさ。満足、満足。
あっという間に食事を終えたが、日の入りまではたっぷり時間がある。
2人は売店でワインを買い小屋の中で飲みながら太陽の様子をうかがっていた。
他の登山客は写真を撮ったり・本を読んだり・酒盛りをしたり、それぞれの過ごし方を楽しんでいる。
この時間の狭間がなんとも言えないくらい好き。
光の角度で、山の表情が変わる。
それと同時に、気温がぐいぐい下がってきた。
たまらず、ダウンを着て夕日を眺める。
下のほうに雲海も見える。
素晴らしい!
日が落ちると途端に静かになり、同時にすることがなくなり、テントの中でゴロゴロしているうちに2人とも眠りに吸い込まれてしまった。
静まりかえった闇の中で、チメが起き上がりモゾモゾとテントの外に。
トイレにでも?
すぐにテントに戻り、
「タラコさん」
ゆさゆさと起こされる。
「トイレ?」
「ううん、大丈夫」
時間を見ると11時になったばかり。
3時間近く寝てしまったようだ。
「ほら、星が凄いよ~」
テントから顔だけ出して空を見上げると、文字通り満天の星空。
360度テントの周りを囲んでいた。手を伸ばしたら届きそう。
これを見るためにここまでやってきた。
こんなにたくさんの星が近くに見えるは今までの山ではなかった?
これなら天気も大丈夫でしょう。
明日は、上高地に降りるだけ。ゆっくり休みましょう。
ニューカラーの講習会
DEMIさんから9月に出る新しいカラー剤の講習に行ってきました。
ジアミン・アルカリ・過酸化水素フリーで新しいグロス染料を配合した商品。
今までない薬👍
トリートメントで染めるみたいな感じですかね。
この薬だけでは、明るくはできませんのでご了承ください。
モデルさんを見ている限り、グロス染料というくらいなので、ツヤと収まりは良い感じ。
良くはわかりませんが、使いこなすのに苦労しそう?
ただ、興味はあり少し試してみたい商品です。
こちらは、ナカノさんから出た新しいスタイリング剤。
“モデニカ ナチュラル”
セット力はほぼなく、質感を出すタイプ。
ツヤタイプとマットタイプ。
今のスタイルにぴったりです。👌
まだまだ残暑が厳しいですね。
夏の疲れをリセットして秋の準備をしましょう。
タラコに直接お問い合わせください。😋
お知らせが、セレニーテのビルが只今、外装工事でお騒がせしております。
8月末までかかるようなので、ご了承ください。😂