2018年09月28日
チメ不帰キレットを🧗♂️
チメ 「ちょっとタラコさん! 今回全然私の出
番がないじゃない!!」
たらこ 「すいません。」
チメ 「せっかく毎日スクワット200回もトレー. 二グを積んできたのに。
“プンプン” どーゆうこと!」
たらこ 「すいません、 たまには違う感じの・・・・」
チメ 「聞こえませーン 腹から声出しなさい! このぷりぷりのお尻どうしてくるの!」
たらこ 「と言われましても」
チメ 「しかもこんな形で登場させて、昔のTVアニメのつなぎのスピンオフで、主人公が今週は出番がないのを番組の冒頭で嘆いているみたいな感じ。 何とか言いなさい。」
たらこ 「新田次郎のような、山岳小説を書いてみたいなと」「その代わりに写真をたくさん載せますの で」
チメ 「そうなの、勇姿がたくさん?
たらこ 「もちろん、水着姿も!」
チメ 「それはダメ」
「しょうがないな。それでは “読者の皆さん! 今回はチメはお休みです!”
残念ですが、またの機会にお会いしましょうね。 今回はタラコさんにつき合ってやってください。」
8月お盆休みを利用して2泊3日の登山に向かう。
今回の目的は、不帰キレット。
白馬、後立山の山々をテント泊で縦走する。
まず初日は、猿倉から白馬鑓温泉小屋まで5時間の登り。
ここ最近の豪雨でかなり道が荒れている。
何とか今日の午前中は天気はもちそうだが怪しい。
下のほうから雲が上がって来るのを気にしながら先を急ぐ。
鑓温泉から下ってくる人たちは、そろって疲れた様子。
昨夜は雷雨だったようだ。
皆さんグッタリした顔で、「今日は良い天気になってよかったですね」
声をかけてくれる。
テント泊をあきらめて小屋に泊まったという人も。
よっぽどの風雨だったのだろう。
白馬は、8年前に大雪渓をアイゼンをつけて通り栂池に抜けたことがある場所。
今回はルートが違うが、所々に見覚えがある場所があり懐かしい。
2泊3日ならもう少し長く歩くコースもあるが、8年前から一度は鑓温泉の露天風呂に入りたいと思っていた。
それと不帰キレットを通るためにこのルートになった。
標高2000メートルの温泉は、想像以上に良かった。
午前中の早い時間に小屋について、テントを張ってしまえばあとはやることがなくなる。
景色を見ながらお酒を飲む、食事をとる。
それぐらいしかすることがなくなる。
そこに温泉が加われば、最高!
お湯は熱めで
たくさんの湯の花が浮かぶ硫黄泉。
露天風呂の淵に腰掛け体を休め、眼下の雲海が茜色に染まるのを見ながら、いくらでも入っていられる。
湯船から湯気を立てながら、あふれたお湯が川のようにザブザブと流れて行っている。
時折、スコールのような雨がシャワーの代わりに熱くなった体を冷やしてくれた。
こんなに山でゆっくりと時間を過ごすことは初めてだ。
雨も上がり静かな夜空には満天の星。手を伸ばせば届きそうなほどだ。
翌朝は3時に起床。テントで朝食を摂った後、出発の準備をしながらまだ顔を見せていない太陽でバラ色に染まる空をながめた。
太陽が昇り始める前にもう一度温泉に入り天狗岳を目指し出発。
今日のコースは8時間は歩く。
朝日を背にしながら、3時間で稜線に出る。
あ~下の方から雲が上がってきている、今日はほんとに昼過ぎには唐松岳頂上山荘に到着していたい・・・。
後半に今回のメインの不帰キレット。
そこまでは晴天の中で稜線を歩く。
8年前は、白馬から乗鞍岳の稜線を歩くときはガスがかかり何も見えなかった。
今回は、剱岳がはっきり見え、その右手奥に日本海が見える。
マジ最高の眺め~‼
稜線を歩くこと30分くらいで、昨年に雪の為つぶれてしまった天狗山荘に到着。
まだ復旧できていない。
資材が上げられず、今年の再開は難しいらしい。
登山者の為に売店とトイレの提供をしてくれている感じの良いおかみさんが出迎えてくれた。
この先を天狗岳に上がり、そして天狗の大下り。長―い下り。
反対側から登って来る方は、みんな一様に汗だくで息が上がっている。
こちらからの下るコースを選んでよかった。
この先が、北稜。
思っていたよりエグイ絶壁が立ちはだかる。
正直ビビった。
先行の方のルート取りが参考になるが、見ているほうが怖い。
あんなところを通るのか?
引き返すわけにはいかないし、行くしかない。
富山側、長野側を折り返しながら進んでいくのだが、富山からは冷たい風が、
長野からは、ギラギラの日差しと生暖かい風が吹いていた。
稜線をまたぐだけでこれだけの体感温度差がある。
±5度は違う。
そして富山側から、怪しい雲が張り出してきている。
天気予報でも午後から崩れてくる。
不帰を通過するまではもってほしい。
今のところ、二人とも元気で、コースタイムより早く歩けている。
無事にキレットを通過して唐松岳につく頃には、ガスに囲まれ視界は真っ白になっていた。
そして、登山道が渋滞しだした。
唐松岳山荘から、20分程度に上れる山。
子供から年配の方まで。
ぽっほっと雨が降ってきた。
本降りになる前にテントを立ててしまいたい。
ここのテント場は、小屋から100メートルは下る場所にしか張れない。
それなのにトイレは小屋の中にある。
そのたびに重たくなった足を引きずりながら登るのは、罰ゲームの様だ。
幸いにも小屋に一番近い場所に張ることができた。
晴れていれば、すぐ目の前に剱岳が見えるはずなのに。
無情にも天気予報は的中。
直ぐ近くで雷鳴がなり轟き、ほどなくして豪雨。
しっかり踏ん張らないと、体を持っていかれるほどの強風。
そしてテントの周りに小川できるのに大した時間はかからないほどの雨量。
一瞬やんだのを見計らって、テントの位置を変え、川がこれ以上
大きくならないように石をつんで、土手を造った。
その後も容赦ない風と雨を受け、テントは徐々に浸水してきた。
強風であおられるたびに、テントの中に水滴が舞い、川の勢いが増すたびに寝袋の下のマットの乾いている部分が狭くなっていく。
それでも不思議なもので、疲れているからか、眠りに落ちる。
そして、水滴が顔にかかって目が覚め、時計と、マットの浸水を確認し、テントの内側の結露をふきながら朝までもつかを計算していた。
そしてやっと朝がきた。
いっこうにやまない風と雨のなか、水分をたっぷり吸って重たくなったマットやテントを、ザックに押し込め、下山を始める。
長野側に降りれば、少し風が弱まることを期待し、ロープウェイのところまでいけば何とかなると思い、濡れた岩で滑らないように足早に下山していく。
晴れていれば、歩いてきた白馬の山や、足元の辺り一面の高山植物をゆっくり見て歩けるのに。
徐々に風が弱くなったが、雨は相変わらず降っている。
ロープウェイの駅についてホッとする。
早く山を下りて白馬駅の近くで温泉に入り乾いた服に着替えて何か食べたい。
そして、特急あずさで新宿に向かう。